ガンマナイフの治療計画システムが動作しているMicroVax IIとデータ解析用のMacintoshとの間のデータ転送のために、Vax側に用意されている専用の通信ソフトおよびインターフェイスを用いることを予定していたが、そのためにはVax側のOSのバ-ジョンアップ、ハードの更新が必要になり、多額の費用がかかるため、断念せざるを得なかった。そこで、ガンマナイフの治療計画システムを用いてプロットした線量分布図から、正確な治療容積を求める方法を開発した。照射線量の等線量曲線を多数のスライス面においてプロットし、それをスキャナーで取込んで、Macintosh上の画像解析ソフトを用いることにより、容易に正確な治療容積を測定、計算できるようになった。それらを当初ターゲット容積の指標として用いていた、ターゲットの3つの径から計算にて求めた容積と比較すると、症例によってかなり相違のあることが明らかとなり、正確な治療容積の算出が、線量の決定並びに治療結果の解析のために重要であることが示唆された。しかし、その容積と実際の臨床データとを合わせて解析してみると、ある程度の傾向は見られるものの、有意な相関関係は認められなかった。そこで、容積の情報だけでなく、3次元的な線量分布のデータを得ることが不可欠であると判断し、VaxとMacintoshの間をケーブルでつなぎ、通信ソフトを使うことによってターミナルエミュレータとして使うことが可能となった。それより、治療計画の際の計算マトリックス内の3次元的な線量分布のデータをMacintoshに転送し、それを計算処理して、線量容積ヒストグラムを算出できるようになった。それにより、ショット数やターゲットの形態、大きさの違いによって、正常組織に照射される線量および容積がかなり異なることが明らかになった。今後は、さらにそのデータから正常組織の障害発生確率を算出し、実際の臨床データとの比較を行なう予定である。
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