研究概要 |
【目的】ヒト造血幹細胞は、造血微小環境の統御をうけ、成熟血球となることが知られている。本研究では、種々の骨髄間質細胞株を樹立し、これら間質細胞の白血病細胞株分化に及ぼす影響を検討した。 【方法】ヒト骨髄由来間質細胞にアデノウイルスベクターを用いてSV40-T抗原を遺伝子導入した間質細胞株AA-101,HAS-301,HAS-303,LP-101を獲得し、白血病細胞株HL-60と共に共培養し、HL-60の分化抗原であり、接着因子であるCD11bの発現を検討した。また、間質細胞株が産生するサイトカインについても検討した。 【結果】AA-101,HAS-303,LP-101との共培養後のHL-60表面抗原を検討した結果、対照に比較してCD11bの発現が認められた。また、共培養を行った間質細胞株の培養上清中にIL-6の産生増加を認めた。 【考察】間質細胞株によりHL-60の分化、増殖に差を認めた。今後、造血幹細胞を用い検討を行う予定である。
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