研究実施計画に基づき雄性6週齢のWistar Rat6匹とFisher Rat6匹の間で腎移植を行い、移植3日後、5日後に移植した腎臓を摘出した。摘出後グアニジン-セシウムクロライド法によりtRNAを抽出し、Tumor Necrosis Factor、InterLeukin-1、InterLeukin-6、Interferoninduced 10kd Protein(IP-10)、Platelet Derived Growth Factor、JE、KC、Monocyte Chemotaxic Protein-1のプローベを用いてNorthern Blot法を行い、mRNAの発現を検討した。その結果、対照群としてもちいた無処理のWistar RatとFisher Ratと比較して移植3日後の腎臓ではJEの発現、5日後の腎臓ではIP-10の発現を認めた。今後は移植腎におけるJE、IP-10の発現の局在を検討するため、同様の移植手術を行い、その腎臓組織を用いてin situ hybridizationを行う予定である。また今回の実験では数種類のサイトカインプローベを用いたにも関わらず、2種の発現を認めたにとどまった。mRNAは非常に不安定であるため抽出その他の処理過程で、その量が減少したことが予想される。今回行った、Northern Blot法についてもその実験方法を含めて再検討が必要であろう。
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