アルポート症候群におけるIV型コラーゲンalpha鎖遺伝子の突然変異を検索することが本研究の骨子である。 この研究期間中に我々は以下に記した項目で知見を得たり、研究方法の工夫を凝らしている。 1、IV型コラーゲンalpha5鎖遺伝子の突然変異の同定 次のページに示したように自験例のアルポート症候群家系のIV型コラーゲンalpha5鎖遺伝子の点突然変異を同定し報告した。 2、IV型コラーゲンalpha6鎖遺伝子の検索 IV型コラーゲンalpha5鎖遺伝子の近傍にIV型コラーゲンalpha6鎖遺伝子が発見されたので、この遺伝子の突然変異も目下検索中である。しかし、現在のところアルポート症候群にIV型コラーゲンalpha6鎖遺伝子の突然変異は発見されていない。 3、全国各地のアルポート症候群の検討 全国の施設に協力していただき、約40家系の患者と家族について上記の遺伝子解析を開始した。また、これらの家系ごとにIV型コラーゲンalpha鎖遺伝子近傍のマイクロサテライトを利用した連鎖解析を行っている。これによって、突然変異そのものは同定できなくても、患者か否かの判定が可能となってきた。
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