1. 熱傷患者の呼吸障害発症にinterleukin 8と顆粒球エラスターゼが関与している可能性についての知見がえられ、それは血中のinterleukin 8値を測定することで呼吸障害の度合いが推測される結果が得られた。 2. 熱傷初期あるいは感染期における炎症反応をあらすのに、特に明らかに感染を伴わないような受傷初期の炎症反応の強さを表すのに、従来言われているinterleukin 6やCRPではなくむしろinterleukin 1 receptor antagonistのほうがよりよい指標となることがわかった。 3. DIC発現時に血中のエンドトキシンよりもむしろTNF-alphaが血管内皮障害を惹起している可能性と、血管内皮障害の重症度をendothelin-1、thrombomodulinがあらわしている可能性についての知見がえられた。 4. 敗血症、あるいは敗血症性多臓器不全発症時に可溶性接着分子(sICAM-1、sElam-1、sVCAM-1)が増加していることが確認され、これらの可溶性接着分子と血管内皮細胞上の接着分子との関係について検討中である。 これらの結果はいずれも新しい知見であり、熱傷における病態の解明、さらい治療に結びつくものと思われる。
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