これまでの検討で脂肪肝クラフトが温阻血、冷阻血に対して正常肝よりも障害を受けやすいことが明らかとなった。そこで本年度は軽減のための方策を検討した。 ラットにコリン欠乏食を投与し脂肪肝ラットモデルを作成し肝を摘出した後、門脈、下大静脈にカニュレーションし潅流液で潅流後4℃で6時間、12時間保存した後4℃、および37℃の乳酸加リンゲルで潅流し、その後Krebs-Henselite液で潅流した。潅流後肝を採取しHPLC法を用いてadenine nucleotiedsを測定し、total adenine nucleotides(TAN)、energy charge(EC)を算出した。また、潅流液中にTrypan blueを混入し核への取り込みを光学顕微鏡で確認した。しかし、個々の症例毎のばらつきが大きく有意差を出すには至らなかった。今後は今回の結果を十分に再検討し実験系を見直しさらに検討を続けたい。
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