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胃切除後大球性貧血出現に関するVitamin B12結合蛋白(Transcobalamin II)の変化に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 05770927
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 消化器外科学
研究機関横浜市立大学

研究代表者

森永 聡一郎  横浜市立大学, 医学部・第1外科, 助手 (80244432)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1993年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード胃癌 / 貧血 / ビタミンB12 / トランスコバラミンII
研究概要

胃切除後長期経過中に認められる貧血の出現にVit.B12や葉酸の欠乏が関与することは広く知られているが、大球性貧血を認めてもVit.B12、葉酸欠乏を認めない症例も少なくない。
近年、Vit.B12結合蛋白;Trans-
cobalamin I,II,IIIのうち組織細胞内への移送機能を有するTranscobalamin II(TcII)と貧血との関係が報告されている。今回、Vit.B12、葉酸欠乏だけでは説明しえない胃切の貧血の原因をB12結合蛋白の側面から検討した。
対象及び方法:胃全摘または胃亜全摘術施行後の63例(男女比44:19、術後期間3〜206ケ月)及び健常者コントロール5例を対象とした。上記対象につき、末梢血液像から貧血の有無とその種類により正常群、小球性貧血群、正球性貧血群、大球性貧血群に分類し、血清Vit.B12、B12結合蛋白総量(TBBC=Vit.B12+Vit.B12不飽和結合能)及び葉酸を測定、比較した。またTismanらの方法に準じ、HCI、PBS処理microfine glass(325mesh)にて血清TcIIを吸着させTcl&IIIを測定、TcII量を求めた。統計学的有意差検定はDunnettの多重比較により行った。
結果:63例中37例(58.7%)に貧血を認め、小球性低色素性貧血4例、正球性貧血19例、大球性貧血14例であった。大球性貧血症例14例中、血中Vit.B12の低下(<250pg/ml)を認めたのは5例(35.7%)のみであり、葉酸値は14例とも正常範囲内であった。Vit.B12は、コントロール(856.6±195.1pg/ml)に比し、大球性貧血群(441.7±347.5pg/ml)、正球性貧血群(416.6±242.3pg/ml)において低下を認めたが(p<0.05)、TBBCは、大球性貧血群(2193.3±463.6pg/ml)及び正常群(2121.0±482.6pg/ml)においてコントロール(1411.2±410.8pg/ml)より増加していた(p<0.01)。大球性貧血群のうち血中B12の低下していない症例だけをみてもTBBCは2330.1±529.3pg/mlと増加していた。TcIIは、現在まで43例について測定したがコントロールに比し、各群とも有意な変化を認めなかった。
まとめ:今回の検討症例中、大球性貧血を呈した症例の過半数において、血中B12は正常範囲とされている値以下には低下していなかったが、Vit.B12結合蛋白の増加が認められ、胃切後貧血の出現に潜在的なB12欠乏が関与している可能性が考えられた。TranscobalaminIIの変化に関しては症例を増やし更に検討中である。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書

URL: 

公開日: 1993-04-01   更新日: 2016-04-21  

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