研究概要 |
胃癌において有効な抗癌剤を選択投与することは予後向上のために重要であるが、なお信頼性の高い感受性試験は確立されていない。今回、多種類の抗癌剤をスクリーニングする適当な方法を検索するためsuccinic dehydrogenase inhibition test(SDI test)、fluorescein diacetate-propidium iodide同時蛍光染色法(FDA-PI法)、Rhodamin 123染色法の3種の抗癌剤感受性試験について検討した。胃癌細胞株MKN28,MKN28・6TG,MKN45,MKN72,NUGC3,KATO3,MKN1を使用し施行した。抗癌剤は5-Fluorouracil,Mitomycine C,Adriamycin,Epirubicine,THP-adriamycine,Cisplatin,Etoposide,Methotrexate,Cyclophoshamideを使用した。方法は、抗癌剤の濃度を臨床投与時の理論的最大血中濃度を基準としその10倍の2種類とし、細胞に投与し72時間持続接触させ各試験を行なった。対照は抗癌剤無投与群とし対照の50%抑制を認めたものを感受性ありとした。MMCでは各細胞とも感受性があった。ADMではKATO□では感受性が低く、CDDPはMKN28で低値であった。SDI testとRhodamin123染色法の結果はほぼ同等であったがADM、CDDPでは感度は不良であった。FDA-Pi法では20%程度感度は低かった。今回検討したアッセイではSDI法が最も良好な結果が得られた。
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