いままでに悪性グリオーマにおいて異常EGFRを検索、mRNAレベルでextracellular domainでは801塩基の欠損を、intracellular domainではinternalization domainからinhibitory domainにかけての欠損を発見しそのいずれもがtyrosine kinaseの活性化に結び付いている事を報告してきた。今回はこれら異常EGFRの発現を認めていない悪性グリオーマにおいてmRNA EGFRのpoint mutationを検索したところA-172(malignant gliomacell line)ではinnhibitory domainにおいてはアデニン(A)からシトシン(C)へのpoint mutationがおこり、それによりグルタミンからプロリンへの変換が生じていた。またmalignant astrocytomaの3症例ではinhibitory domainの同一部位の連続したグアニン(G)、シトシン(C)がシトシン(C)、アデニン(A)にmutationし、それによりグルタミンがアラニンに変換していた。LigandがEGFRに結合するまでtyrosine kinaseの活性化を抑制する機能を有しているinhibitory domainにおいて、アミノ酸の変換が生じ、コンピューター解析ではその部分のタンパク2次元構造の変化が確かめられた。
|