非放射性Coloured Microsphere(Non -radioactive Clolured Microsphere;NRACM)は、心筋血流測定用に開発されたもので、現在までに皮弁等の形成外科的な分野では、実験方法すら報告がない。第一段階の実験として、NRACMと従来法のradioactive microsphere(RAM)の対比実験を施行した。7羽の白色家兎を使用し、4羽に2種類のAxial pattern flapを作成、NRACMを打ち込み、屠殺後に2種類の皮弁(家兎耳介皮弁4皮弁、腹壁皮弁4皮弁)と腎臓(16腎)を摘出し、各局所血流量を測定した。対称として、3羽の家兎にRAMを打ち込み屠殺後6腎臓を摘出した。結果は、腎臓でNRACMとRAMとの測定結果に有意差はなく、2×10^6のNRACMの打ち込みで計4回の反復測定が可能であった。実験結果から、NRACMは形成外科的な皮弁血流量の定量に使用でき、極めて簡便でなおかつ費用や設備がかからない優れた方法であると考えられた。 当初の実験計画では、NRACMを静脈皮弁の超早期血流量の定量実験に用いる予定であったが、予備実験の結果では静脈を茎とする特殊な皮弁である静脈皮弁の超早期血流量は、定量が困難であった。 このため、当初の計画を変更しNRACMをprefabecated flapと呼ばれる皮弁定量に初めて応用した。結果は、Prefabricated flapの皮弁挙上時期の決定に有用な手段となり得たと思われた。
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