研究概要 |
骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)に対して変動電磁場刺激を様々な条件で与え、非刺激群に対するDNA合成能、アルカリフォスターゼ活性(ALP)、TGF-beta産生能を測定し比較検討した。 (1)DNA合成能:磁場強度、周波数、パルス幅それぞれにおいてその至適な条件が存在し、(1.0Gauss,10Hz,25musec)DNA合成能を高めていることが示唆された。 (2)アルカリフォスターゼ活性(ALP): DNA合成能を最も高める電磁場刺激の条件(1.0G,10Hz,25musec)においてALP活性の経時的変化をみると、controlに比し、より早期より高値を示し、ピーク後はより早期に低下傾向を示し、細胞の分化過程を早めていることが示唆された。 (3)TGF-beta(tranforming-Growth factor-beta)産生能: (1)ELISA法にて測定するとcontrol群、刺激群ともにTGF-betaは培養日数とともに増加し、confluent後22日以降は減少傾向を示した。またconfluent後14日まではcontrol群に比し、有意にTGF-beta産生能の増加を認めたが、Confluent後21日では両群に差がみられなかった。 (2)TGF-beta免疫染色: ELISA法による測定同様、Confluent後7日では、control群に比し、刺激群に高い染色性を認め、confluent後21日では、両群に差がみられなかった。 ※(1)、(2)より電磁場刺激のDNA合成能の促進にTGF-betaが深く関与していると推察された。またConfluent後21日で両群に差がなくなる原因として、(1)電磁場刺激により増加したTGF-betaがfeedback的に働き、産生を抑制する。(2)同時期よりALP活性が低下し、Osteocyterの分化が進むとともに産生も低下する等が考えられる。
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