研究概要 |
除脳し麻酔を中止したラットから脊髄後角細胞の単一活動電位を記録した。その細胞に触刺激、ピンチ刺激、熱刺激などの刺激を加えその細胞が低域値細胞(Low Threshold Cell;LT cell)か広作動域細胞(Wide Dynamic Range Cell;WDR cell)かを区別した。それぞれの細胞の触刺激に対する受容野(Receptive Field;RF)を麻酔薬を投与する前に調べ、その面積をコントロール値とした。その後吸入麻酔薬(ハロセン)を低濃度から与え、15分後に再びそのRFを調べそれぞれの面積を計算し、比較した。これまでに10個のLT cellおよび3個のWDR cellからデータが得られた。LT cellではRFの面積は0.5,1.0%のハロセン濃度でそれぞれコントロール値の約60%、95%に減少していた。WDR cellでも同様の傾向が得られた。これまでの結果から除脳したラットにおいて脊髄後角細胞の発射活動は吸入麻酔薬の濃度依存性に抑制されることが判明した。
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