研究概要 |
メチルプレドニゾロンのシスプラチン抗腫瘍効果におよぼす影響の検討 (目的)われわれは、メチルプレドニゾロンがシスプラチンの腎毒性を軽減することを報告しているが、シスプラチンの抗腫瘍効果への影響の検討は十分ではない。今回、メチルプレドニゾロンのシスプラチン抗腫瘍効果への影響をim vitro,in vivoで検討した。 (方法)1.ヒト膀胱癌培養細胞株(T24、KK47)をシスプラチン単独、メチルプレドニゾロン単独、シスプラチンとメチルプレドニゾロン併用の3者で3日間インキュベーションし、それぞれの細胞増殖をMTT法にて比較した。 2.ラット可移植膀胱癌をラットの背部へ移植し、腫瘍長径が2〜3cmに発育した後、シスプラチン単独投与、メチルプレドニゾロンとシスプラチン併用投与の2群間で腫瘍の発育を比較した。 (結果)1.メチルプレドニゾロンはヒト膀胱癌培養細胞株T24、KK47の両者に対するシスプラチンの抗腫瘍効果を減弱することなく、むしろ併用することで抗腫瘍効果を増強した。 2.ラットに移植されたラット膀胱癌はシスプラチン単独投与、シスプラチンとメチルプレドニゾロン併用投与群の両者で発育に差は見られなかった。 (結論)メチルプレドニゾロンはシスプラチンの抗腫瘍効果を減弱することなく、シスプラチン腎毒性を軽減すると考えられた。
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