正常性周期を有する雌ラットを用いて、以下の検討をおこなった。 Estrus、Diestrus1、Diestrus2の9:00、Proestrusの9:00、15:00、21:00にラットを屠殺して、すみやかに卵巣を摘出し液体窒素にて凍結保存した。また、Uilenbroek JJらの方法に準じて、PentobarbitalをProestrusに投与して排卵抑制を行い、実験的閉鎖卵胞を誘導した。排卵を1日延期、2日延期、3日延期させたラットを作製し、各3群についても同様に卵巣を取り出し保存した。上記9群のラット卵巣をホモジナイズしたのちAGPC法にてmRNAを抽出しラットIL-1betacDNAプローブを用いて、ノーザンブロットを行った。また屠殺の2時間前にLipopolysaccharide(LPS)を投与した同様の実験群を作製して、IL-1betamRNAの発現を検討した。その結果、ラットの卵巣にはIL-1betamRNAの発現が認められ、LPS刺激にてその発現量は増加した。またこの発現は、性周期で変化している可能性が示唆された。Pentobarbitalによる実験的閉鎖卵胞を誘導したラットの卵巣ではIL-1betamRNAの発現には特に有意な変動は見られなかった。 これらの検討により、ラットの卵巣にはIL-1betamRNAの発現が遺伝子のレベルで確認された。さらにその発現量は、性周期に伴って変動している可能性が示唆された。現在、その発現部位の検索の目的でIn situhybridizationを行っており、さらにIL-1の蛋白レベルでの検討の為にMouseを用いて、免疫染色による実験を行っている。
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