研究概要 |
従来GHは胎児発育にはほとんど影響しないと考えられているが、詳細は不詳である。我々は常染色体劣勢遺伝のGH単独欠損モデルであるSpontaneous Darf Rat(SDR)を用いて、同腹内にヘテロ接合子胎仔 (dr/+)とホモ接合子胎仔(dr/dr)を作成し、GHが胎仔、胎盤発育に及ぼす作用を検索した。その結果胎仔の下垂体中に免疫組織科学染色でGH細胞が認められたヘテロ接合子胎仔はGH細胞の認められなかったホモ接合子胎仔より有為に重く(同腹内のヘテロ接合子胎仔の平均重量を1として各胎仔重量を換算、ヘテロ1.0+0.023,ホモ0.85+0.037)、また胎盤重量には両群間に有為な差は認めなかった。 以上の結果より、GHは胎仔発育には促進的に働いているが胎盤発育には影響しないことが判明した。現在経胎盤的に抗GH抗体を投与し、胎仔の産生するGHをブロックしGHの胎仔発育に及ぼす作用をより明解にするため、SDRをラットGH-FCAで免疫しラット抗ラットGHを作成中である。
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