【頭頸部癌培養細胞株の樹立及び多剤癌化学療法剤感受性試験】 当科で得た頭頸部偏平上皮癌細胞を培養フラスコを用いて、生胎児血清加RPMI培養液およびHEPES培地にて培養した。さらにasscy用96穴プレートを用いてCDDP、5-FUさらに併用する第3の抗癌剤としてADM、Elop、PLM、MTX、CPM、VCR、の6種類の各薬剤の併用効果を^3II-Tdr法により抗腫瘍効果を検討した。その結果ADM、CPM、MTX、PLM、VCR、Etop、の順に抗腫瘍効果の増強が認められた。 【多剤併用化学療法の臨床応用】 臨床応用ではCDDP60mg/m^2(day4)、5-FU1000mg/m^2(day1-5)の従来のCF療法に併用させた場合、副作用の最も少ないと思われるCPM400mg/m^2をday3に併用投与した。頭頸部偏平上皮癌進行癌患者50例に対してCF療法ICPMの3剤併用療法を施行した結果、CR(Completeresponse)率22%、奏効率74%であり、従来のCF療法における20%、69%と比べ進行癌患者がより多いにもかかわらず有意の差はないが良好な奏効性を得た。また副作用の発現おいてもほぼ同率であり、十分に臨床応用が可能と判断された。今後はさらに有意にCP率の高い多剤併用化学療法を確立するために、多剤の併用療法を検討中である。
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