1.ヒトおよびラットの甲状腺濾胞細胞は、甲状腺組織細切片10mgに対し2mugのタイプ5コラゲナーゼ/ml(MEM of 20%fetal bovine serum)とともに30分間インキュベートすることで、甲状腺組織から分離されることが判明した。 ラット甲状腺細胞の凍結保存には、細胞を10%dimethylbusulfan、20%fetal bovine serum、RPMIの混合液に浮遊し、マイナス80度に徐々に温度を下げ、また解凍時は45度の温水内で急速解凍する方法を用いた。これによって、甲状腺細胞の凍結保存できることが判明した。解凍時の生存率の改善、長期保存の検討、移植片としての適否は、これから検索する予定である。 ヒト甲状腺組織および濾胞細胞は、ヌードマウスの腹腔内や皮下組織に異種移植された場合、拒絶されることが明らかになった。ヌードマウスに比し免疫拒絶反応が弱いとされつscidマウスへの移植を始めており、組織学的および機能的検討を行う予定である。 ラットの甲状腺組織および濾胞、濾胞細胞を皮下組織へ移植した場合、移植片は、組織学的に生着することが明らかになった。さらに濾胞細胞は移植されると濾胞を形成することが明らかになった。移植された宿主の甲状腺機能については、今後検討する予定である。
|