研究概要 |
1)内耳奇形ハムスターの成熟後の蝸牛でhook regionの乱れが著しい。奇形群のapical turn先端部分の180度回転した外有毛細胞第1列に聴毛の丈に長短があり調和がとれず、パイプオルガン状を示さないものが散見される。奇形群の回転した内外有毛細胞の聴毛間にも、tip-linkが存在する。 2)内耳奇形ハムスターの胎生期から生後2日目までは、内有毛細胞また外有毛細胞各列の、著しい回転が認められる。生後3日目以降は外有毛細胞第1列のみの回転が残存する。生後12日目の蝸牛では、vacuolationの出現位置に多少のずれがみられる。 3)成熟後の奇形群では、特異な水泳を示す。水面での旋回、underwater circleが主体である。旋回方向はclockwise,counter-clockwiseまた両者間のswitchingが見られる。 4)成熟後の内耳奇形ハムスターを地上1mから落下させ、10%程度に完全な立ち直り反射が見られた。 5)立ち直り反射が不完全な群で、水面での旋回方向とrighting reflexの方向に強い相関性がみられた。 6)内耳奇形反射がでは前庭平衡班の分水領が認められない。
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