今年度はまず「CD4免疫調節再細胞による実験的自己免疫性網膜ぶどう膜炎の抑制」に関する実験的研究を行った。これはT細胞が札症に大きく関与する臓器特異的自己免疫抑制モデルである実験的免疫性網膜ぶどう膜炎〔EAU〕のもつ自然治癒の病態に関与擦ると考えられるpostrecovery suppressor cellの性質やphenotypeを検討することを目的として行われた。Lewisラットを用いた実験では感作前に脾臓を摘出することによってぶどう膜炎の発症と治癒が有意に遅延し、初回感作後、発症したラットの脾臓細胞を感作後28日にCD4^+8^+〔A群〕、CD4^+8^-〔B群〕、CD4^-8^+〔C群〕、B細胞〔D群〕の4群にわけ、naiveなラットにadoptive transfer後、能動および受動免疫した場合、能動免役後のCD4^+T細胞を含むもののみがぶどう膜炎の発症を抑制しえた。これからもEAUの自然治癒に関わるpostrecov-ery suppressor cellはCD4^+T細胞と考えられるが、来れは炎症のafferrent limbのみの抑制作用を有する興味深い性質を有することが判明した。続いて実験モデルでの結果をもとにヒトの疾患での病態を解明する目的で、T細胞と深い関連を持ち臨床的に重要な可溶型のICAM-1、CD4、CD8のベーチェット病およびVogt-Koyanagi-原田病症例での推移を、急性期、慢性期、治療との関連などについて解析中である。さらにheat shock protein〔熱ショック蛋白〕の難治性ぶどう膜炎での病因的意義について検討するために、ラットのEAUモデルにおいて結核菌由来の65kDa heat shock proteinに対するIgGおよびIgA抗体を酸素抗体法によって測定を行っている。
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