我々は既に、EBウイルス(EBV)をウサギ眼(硝子体)に注入接種することにより、EBウイルス関連抗原(VCA、EA)に対する抗体が上昇するなど、免疫学的一時応答、二次応答が証明され、ウサギ生体において長期にわたりEBVが抗原として存在することを示唆する結果を得ているが、今回我々はウサギ生体内において、EBVが抗原として持続感染を確立しているかについてさらに検討を行ったところ、以下のような結果を得た。 1)紫外線処理のEBV、熱処理EBV、未処理EBVそれぞれをウサギ眼硝子体に注入し、血清抗体価の推移について検討したが、現在のところいずれも抗体価の上昇はみられなかった。 2)ウサギ単球細胞を用いたinvitroの感染実験を試みたが、単球には感染をおこさなかった。 3)抗体価の上昇したウサギ血清においてウエスタンブロット法で蛋白を解析したところ、抗体の上昇したウサギにのみ検出される特異蛋白がみられた。 4)抗体の上昇したウサギについて眼球および脾臓などの眼以外の組織からPCR法を用いてEBVDNAの検出を試みたが、現在のところ証明できていない。
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