研究課題/領域番号 |
05771543
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
倉林 亨 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60178093)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Computed tomography / Ultrasound / Lymphatic system,CT / Lympahtic system,neoplasms / Carotid arteries,CT |
研究概要 |
本研究では、頚部転移リンパ節の頚動脈への浸潤の有無に関する、信頼性の高いCTおよび超音波診断基準を確立することを目的とした。現在症例を蓄積中であるが、これまでに得られた結果は以下の通りである。 転移リンパ節と頚動脈との癒着が疑われた20症例を対象として、両者の関係に関するCT所見と手術所見および病理所見との対応を行った。対象症例はいずれもCT画像上で、両者の間に明らかな脂肪層の介在が認められなかったものであるが、そのCT所見を以下の3型に分類した。すなわち、I型:動脈の1/4周未満においてリンパ節と接する、II型:動脈の1/4周〜半周においてリンパ節と接する、III型:動脈の半周以上においてリンパ節と接する、とした。更に動脈壁の断裂像の有無に関しても可能な限り評価を行った。 上記20症例中、III型に分類された1例およびII型に分類された8例中1例においては、手術に際して転移リンパ節と動脈との癒着が認められ、両者の剥離は不可能であった。同II型の1例は、CT画像上で動脈壁の明らかな欠損が認められるものであった。他の症例については、II型の2例が手術に際して両者の剥離が困難であったものの、病理学的に摘出物断端に腫瘍浸潤は認められなかった。II型の8例中5例およびI型の全例では、癒着は見られず、剥離は容易であった。以上の結果より、リンパ節と動脈との接する範囲や動脈壁の状態について注意深い読影を行えば、CT検査は、両者の関係を知る上で信頼性の高い診断法となり得るものと考えられた。 一方超音波検査所見については、横断および縦断画像における動脈壁欠損像の有無を診断基準とすることの有用性を検討中であるが、現在までのところ、同診断基準によればfalse positive症例が多く、結論には至っていない。今後更に検討を進める予定である。
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