研究概要 |
従来,MRI撮像における精度評価は,生体材料あるいは非生体材料を使用したファントームを用いて行なわれてきた。しかしながら,それらは同一の撮像環境の再現や経時的な安定性に問題がある。そこで,著者は単一の信号発生物質と無信号発生物質を組み合わせることによってコントラスト分解能と空間分解能を総合的に評価することのできるMRimagingサーフェイスコイル用ファントムの試作を試みた。そして、コントラスト分解能と空間分解能について検討した結果,下記の結論を得た。 1.溝幅が広くmatrix sizeが小さくなるほど大きなgamma値とCI値を示した。 2.各溝幅間におけるコントラスト特性は,matrix sizeが小さくなるほど収束する傾向を示し,SI値は大きくなった。 3.各matrix sizeにおけるコントラスト特性は,(1),(2)で得られたコントラスト分解能,空間分解能の変化と一致して実際の画像上に描出された。 以上の結果から,このファントムはコントラスト分解能と空間分解能を同時に評価することのできるMRimagingサーフェイスコイル用ファントムとして有効であることが証明された。
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