臼歯部コンポジットレジン修復に際し、予防拡大と称し、健全歯質の多大なる犠牲を強いていた従来の方法と比較して、今回検討を行った歯質保存的臼歯部コンポジットレジン修復法は、歯質の切削量が大幅に減じられたばかりでなく、その修復物の寿命をも改善した。従来の臼歯部コンポジットレジン修復法はその寿命が5年とされているが、今回の方法では最長で7年経過しても良好な状態を維持している。 コンピュータによる摩耗量の計測において、小窩裂溝部に塗布されたシ-ラントは経時的に摩耗はするものの、幅薬200mumにまで摩耗が進むと、摩耗の影響を受けにくくなることが判った。しかしながら、窩洞のコンポジットレジン部分は摩耗の影響を受けやすく、経時的に摩耗像が肉眼でも観察できた。コンピュータによる摩耗量の計測は、咬合状態との関係を併せて検討できる利点を有しているが、Occlusal Contact Areaの摩耗が著明であった。従ってBowenらの開発したグラスセラッミックインサートのようなメガフィラーを窩洞部分に応用した、新たなる超歯質保存的臼歯部コンポジットレジン修復法が永久修復へのさらなる一歩を指し示すであろうと推察された。
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