研究概要 |
当教室が所有する顎運動データベースに対し、より統括的な処理を可能とする顎運動データベースを開発することと、市販されているMM-JI型顎運動測定器のための標準データフォーマットを検討し、データの蓄積を図ることを目的として以下の研究を行った。 1.データベースの仕様:顎運動測定データの仕様については、対象とする顎運動を各種基準値を求めるのに必要な基本限界運動(矢状面内限界運動、左右側方限界開口路)とし、基本限界運動から算出された各種解析値に加え、解析に使用したデータファイル名、生体標点データ等の諸データを測定データとは別にRDBによりデータベース化することにした。また各データの格納については,当大学が所有する顎機能診断システム上の光磁気ディスク装置を使用し、被験者ごとに階層化したディレクトリを作成することとした。 2.標準データフォーマット:測定データ、生態標点データ、測定器個々の諸係数やキャリブレーション値から顎運動を計算する時の中間処理形態である4行4列方向余弦マトリックスを標準型とし、このデータファイルの先頭にコード化した情報を組み込んだものを標準データフォーマットとした。解析の際にはこのファイルを使用することで測定データのファイル形式や測定機種の違いにとらわれることなく全ての運動データを一元的に扱うことが可能となる.さらにこれによって研究者間の情報交換もより容易に行うことが可能となる。 3:現在、各処理ルーチンの整備とデータベースの構築を行っているところであるが、現時点までに構築されたデータベースと既存の処理システムを応用し、データベース中の下顎欠損患者データを抽出,解析して、結果を学術雑誌に発表した。
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