歯科インプラントにおける関心は年々盛んになり、複合化についても研究が進み生体適合性、力学的強度、審美性その他について最適最高のインプラントを求める努力が日夜行われている。強度的に優れたチタンインプラントに生体適合性に優れるハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラントが臨床応用さえているが、コーティングの剥離、吸収などで必ずしも完全とは言い難く、現在研究が行われている。コーティングとしてインプラントから骨表面方向にハイドロキシアパタイトの体積分率が変化する傾斜機能材料応用インプラントを体積分率により3種類考え有限要素解析を行った。従来の静荷重解析だけではなく、口腔内温度変化の影響も大きいと考え熱応力解析も行った。 しかし、口腔内の雰囲気温度および各材料の熱伝達率は、従来の理工的物理定数として考えれないとして実際に口腔内温度測定を行いチタン、ハイドロキシアパタイト、コーティングインプラント、アルミナ、4種類のインプラントを25mm平方に試料作成し、下顎第一大臼歯に瞬間接着剤でセットし、金パラ、レジン、ポーセレン、象牙質、エナメル質とともに非定常温度測定を行った。被験者に氷を含ませ、測定は微小熱電対を用いてPC-98で熱処理をおこなった。現在、温度校正を含めて実験方法の確立を模索している状態である。
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