低出力レーザーには創傷治癒促進効果や局所の血行改善作用などがあるとされ、その照射により、有茎皮弁の生着性は向上すると予測される。そこで本研究では、有茎皮弁(random pattern flap)への低出力レーザーの有用性を実験的に論証することを目的とした。 研究方法 家兎の背部に2×16cmのrandom pattern flapを作成し、再縫合した後に、皮弁の基部にGa-Al-As半導体レーザー400mWを10分間照射した(術直後および48時間後)。皮弁の生死および血行の判定には以下の2つの指標を用いた。 1、皮弁作成1週間後における基部から壊死部までの長さ。 2、術前、術後の血清中トロンボキサンB_2値および6-ケトプロスタグランジンF_1値(RIA法)。 効果 1、皮弁作成1週間後における基部から壊死部までの長さは、対照群と比較してレーザー照射群では有意に長く、レーザー照射により有茎皮弁の生着性向上に寄与できると思われた。 2、血清中トロンボキサンB_2値および6-ケトプロスタグランジンF_1値は、対照群とレーザー照射群の間では有意差は認められなかった。
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