細胞外液中の神経伝達物質(主としてカテコラミン)を連続測定することにより神経物質代謝を調査した。 すなわち先端に半透膜を装置したマイクロダイアライシスプローブを線状核に挿入しリンゲル液を環流することにより回収し、これを高速液体クロマトグラフィーにより測定した。 本年は主として回収率および脳内濃度の推定の為の基礎的研究を行った。すなわち脳内濃度を回収率から推定した場合と平衡法により推定(環流液中にカテコラミンを入れて濃度変化をみる)した場合の比較により、いかなる推定が良いかを比較したが、両者間には10^2程度の濃度の違いがあった。これらは麻酔薬投与中は違いが少なくなったが、Awakeの状態においては、10^4程度の差が生じた。この理由について検討を加えたが、主として測定技術上の問題を示唆する所見を得た。
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