対象:正常口腔機能を持つと考えられる小児および舌突出癖などの主訴で来院し、舌、口唇運動に問題があると考えられる小児をそれぞれ、歯齢別に、乳歯列完成期、前歯部交換期、混合歯列期、永久歯列期に分類した。 方法:1)舌圧;上顎にレジンで作製した義歯を装着し、その義歯に圧センサー(PS-2KA 共和電業)を埋め込み、水、ヨ-グルトの摂取時舌圧、唾液嚥下時舌圧を測定した。圧センサーの位置は、(1)口唇部切歯乳頭部、(2)正中口蓋縫線上の口蓋部最深点、(3)(1)と(2)の中間点に設定し、リ-ド線は口角部より導出し、ひずみ変換器用増幅器(AP-601G 日本光電)で増幅しポリグラフで記録した。上顎に装着する装置は被験者に慣れてもらうため、あらかじめ圧センサーを取り付けていない測定用義歯を装着し、慣れた時点で圧センサーを取り付けた測定用義歯を装着し、測定した。 2)口唇圧;スプーンに合成樹脂を用い圧センサーを埋め込み、ヨ-グルト摂取時にスプーン上にかかる上唇圧を測定した。 今後さらに、歯列に加わる上唇圧と舌圧とを測定するために、上顎および下顎切歯部の唇側および舌側に圧センサーを設定し、唇側方向からの口唇圧と舌側方向からの舌圧を測定し正常口腔機能をもつと考えられる小児と舌突出癖などの習癖をもつ小児について比較し、小児の口腔筋圧が歯列、咬合に与える影響をも解析することが必要と考えられる。
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