研究課題/領域番号 |
05772040
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
田中 芳夫 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (60188349)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | メカノセンサー / ストレッチチャネル / アミロライド / 血管内皮 / シクロオキシゲナーゼ / 脳動脈 / 肺動脈 / mdxマウス |
研究概要 |
組織血流の筋原性の自己調節機構や血管攣縮・高血圧などの脈管病変との関連性が深い心脈管系への動力学的刺激により発生する収縮機能発現過程におけるメカノセンサー機構を明らかにする目的で、ラット、ウサギから摘出した脳動脈、肺動脈に内腔圧上昇や伸展刺激を与えて発現する筋収縮反応を薬理学的手法により解析して以下の新知見を得た。1.ア-テリオグラフを利用して抽出フラット脳動脈への内腔圧上昇により発生する血管収縮反応を解析し、外液Ca^<2+>依存性の筋原性収縮に対し、ストレッチチャネルを抑制することが知られているアミロライドが、脱分極性および薬物受容体を介した収縮反応に比較してより選択的に抑制することを見い出し、平滑筋細胞膜上に存在するアミロライド感受性のイオンチャネルが内腔圧上昇もしくは伸展刺激の受容部位である可能性を示唆した。この成績は、「抵抗血管に関する第4回国際シンポジウム」(バ-モント、米国、1994年1月)で発表し、英語論文として公表するための準備を進めている。2.ウサギより抽出した肺動脈標本への伸展刺激による反応は、インドメタシン、アスピリンにより消失することから、シクロオキシゲナーゼ代謝物が産生・遊離することにより発生すること、また、内皮細胞が存在する場合にのみ収縮反応が発現することを見い出し、内皮細胞がこの刺激の受容部位である可能性を明らかにした。現在、内皮細胞の細胞内Ca^<2+>シグナルの測定や糖鎖処理などを行い、刺激受容部位の特定を行っている。以上、脈管系では、動力学的刺激を感知する機構に多様性が存在する可能性を示した。現在、メカノセンサー部位の一つであると想定されているジストロフィンが欠損しているmdxマウスを用いて血管への伸展・脱分極性・薬物受容体刺激を介する反応性の変動について基本的検討を行うとともに、パッチクランプを用いたイオンチャネルの活性化変動を検討するための準備を進めている。
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