研究概要 |
実験方法 居間の実物大(8畳)模型を使用し、応接セットを室中央に配置、蛍光ランプ用器具として、40W2本用インバータ器具3台を室中央に配置した。使用した蛍光ランプは、WW,EX-L,L-EDL,W,W-EDL,EX-N,N-EDL,D,EX-D,D-SDLの10種類である。また椅子の色を2.5YR3/3、8.5PB2/3、7.5PB3/8の3種類、机上面照度を200lxと400lxの2段階とした。これらの組み合わせ、合計60対象について実験を行った。 室内雰囲気評価法としては、7段階SD法を使用し、被験者自身に評定させた。被験者は、奈良女子大学住居学科の2回生以上の学生で、1対象につき23〜26名である。 結果 因子分析(バリマックス法)の結果、第1因子に活動性、第2因子価値、第3因子柔らかさ、第4因子豪華さの4因子が析出された。 分散分析から、色温度は、どの因子に関わる項目にも、演色性は、活動性と柔らかさに関わる項目に影響している。また、活動性に関わる項目には、光源の色温度と椅子の彩度、演色性と色相、彩度が、相互に作用しあっている。また、価値に関わる項目には、色温度と色相、彩度、柔らかさに関わる項目には演色性と彩度の交互作用がみられた。さらに、色温度と演色性の交互作用が若干ではあるが、価値と柔らかさに関わる項目にみられた。 数量化理論第2類による分析を色温度別に行ったところ、室の価値に関わる項目で演色性の影響量に違いがみられ、白熱・温白色(L)の場合には、演色性の影響がかなり大きいのに対し、昼光色(D)では、影響量が少ないという結果を得た。価値に関わる項目のカテゴリー負荷量から、Lでは椅子の色相がYR、DではPBの方が評価がよくなるという色温度と色相の交互作用の実態がわかった。
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