研究概要 |
4月から7月の約4カ月間にわたって,中学校の一つの教室の数学の授業を継続的に観察・記録した。期間中に,子どもへのインタビューを実施した(7月)。そしてこれらのデータを整理した。加えて,これ以前2年間にわたって(1992年,1993年)収集・整理してきた授業に関するデータとともに今回得られたデータを分析をしている。 これまでに得られた成果として,算数・数学の授業にみられる相互作用には,3つの水準,基礎的水準,数学的知識のかかわった水準,数学的適切性のかかわった水準,があることを同定した。そして,教師は,相互作用をうまくすすめるために,この水準従って,長期にわたって,一貫した構想を持ち,様々のはたらきかけをしていることがわかってきた。 また,相互作用の水準を観点として,関心・態度の形成過程の分析を進めることで,子どもの期待と教師の期待の間に隠されたずれがあることが明らかになってきた。そして,そのずれが子どもの関心・態度の形成に,積極的または消極的影響を与えていることが明らかになりつつある。 これらの研究成果については,Seventeenth International Conference Psychology of Matheatics Education(1993.7.18-23.),日本数学教育学会論文発表会(1993.10.23-24)において口頭発表するとともに,論文集に掲載した。また,現在,投稿中の論文が1編ある。
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