本研究ではビジュアリゼーションを、「数学的概念・原理もしくは問題についての幾何的・グラフ的表現をコンピュータ、電卓や手によって学習者が作りあげ、使用するプロセス」と定義した。本研究では、米国数学会と英国の研究を参考にし、特に関数、微積分、幾何の内容についてビジュアリゼーションのプロセスを取り入れた20時間分の教材を開発し、また併せて実際の授業で試用して評価を行った。 本研究では次のことを行った。 1、先行研究の検討 米国数学会刊行の「数学とビジュアリゼーション」並びに英国のDavid Tallのビジュアル思考の研究を検討した。また、それらの研究において使用されているソフトウェアを購入し、実際にそのビジュアリゼーションを検討した。 2、ビジュアリゼーション教材の開発 以下の教材を、現職教員並びに修士課程院生(筑波大)と共同で開発した。関数教材6時間分、幾何教材8時間分、微積分教材12時間分 3、教材の評価(平成5年11月-平成6年1月) 開発した教材、特に関数、幾何、微積分から一つを選んで、試行的な授業を中学校ならびに高等学校で行った。また、その効果について評価を行った。
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