本研究では、ワープロなどの電子化された記述道具の機能や特徴とペーパーメディアのノートの機能を基に教育的立場から電子ノートの機能を検討した。とくに、これまでの単なるペーパーノートの置き換えでなく電子化することによる編集や精密さなどの新たな機能を模索した。その結果として、数学教育のための以下のシステムを設計し、本科研費にて購入したパソコン上に試作した。 (1)アプリケーションプログラムを用いたノート MSWindows上の市販のハイパーメディア型ワープロソフトをシステムのベースとして、基本的な記述や修正機能をそのワープロソフトで実現し、後述の数学教育特有の機能をリンクするシステムを検討した。 (2)教科書用レーザーディスク表示システム これまでに作成したレーザー教材をMSWindows上に表示するシステムを試作した。この表示された画像と音声は、先のノートに張り付けたりすることができ、数学学習でのメディアの統合が可能となった。 (3)数学シミュレーションシステム 数学のシミュレーションを逐次的なシミュレーションとアルゴリズミックなシミュレーションに区分し、それぞれの入出力インターフェースを設計した。とくに後者のシミュレーションでは、数学用(数式処理用)PADを設計した。 本研究により数学学習用のハイパーノートの機能を具体化することはできたが、今回は単独の研究であることから、できる限りMSWindows上の市販アプリケーションを利用したため、詳細なインターフェースを完成するには至っていない。今後、多人数でのプロジェクトにて実用システムを完成することが課題である。
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