ハイパーメディアのデータ部分は、神戸市教育研究所の撮影による植物の写真43枚をデジタイズしたものを用意した。これをランダムにアクセスできるように、ハイパーカード上にボタンを設定した。各データは、花の色、花の構造に関わる項目、場所、葉のつき方に関わる項目をインデックスとしてもつ。学習者はこれらの項目から、ヒットするデータを参照することができるのである。一方、各植物についての説明は、静止画データから見ることができる。また、この説明部は、学習者が自分で書き加えることによって、カスタマイズすることができる。 ハイパーカードには、校区の略図をスキャンしてはりつけてあり、植物を発見した場所にボタンをはりつけることができる。このシステムを用いることで、生活科や環境教育において、野外学習を行う時に、自分の見たものを略図上に記録していくことができる。 試行については、実際にフィールドに機器を持ち込んで学習を行うことが望ましいのだが、ノート型コンピュータの性能上の理由により、教室での利用にとどまった。学習者はそのインタフェースに関して興味を示したが、データが植物のみに限定されること、データ呼び出しのヒット率など、問題点も明らかになった。
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