研究概要 |
申請者はこれまでに、学習者主体の知識探究を実現する探究型のITS(知的教授システム)の構築を行なってきた.そのような学習環境では,学習者が探究活動を継続できない状況において,システムが適切的なアドバイスを与える必要がある.そのために,対象学習世界の公理系を構成するプリミティブな知識に対する学習者の理解状態を表現した深層的な学習者モデルが必要とされる. 本研究は,探究型のITSにおける深層的な学習者モデル診断システムの構築を目的とする.具体的には,ITSの要素技術を活用して,(1)適切的なアドバイスを提供するための情報(学習者モデルを診断・推論するためのデータ)を抽出し,(2)その情報をシステム内部で表現する手法(知識表現形式),および(3)小規模コンピュータに実装可能な診断技法を提案することが目的とされている。 上述した研究目的を達成するために,具体的に以下の段階にしたがって研究を進めた。 (1)基本設計:本研究では,具体的な学習世界として初等代数学における文字式の計算を想定する.そして,領域専門知識の抽出および知識表現形式を検討する.さらに,学習者モデル診断のための推論手法を決定する.具体的には,学習者モデル診断のための推論手法として,仮説推論を想定している. (2)システム構築:上記の手続きにより設計されたシステムをワークステーション上に実装した。具体的には、Sunワークステーション上のCESP言語を用いて開発した。 (3)成果の発表:本申請で開発されたシステムに関して、学会研究会等でその成果を発表した。
|