北海道における若年齢者層の消費者被害の実態を次の2つの調査より明らかにした。 1.北海道消費者センターと、札幌市消費者センター発行の消費生活相談の年間集計結果より、被害者層の経年変化を追ったところ、若年齢層と高年齢層に二極分化する傾向が進行しつつあることがわかった。また、消費者被害の実例を分析したところ、高額のクレジットに関わっては、若年齢者層の場合は、モノやサービスの使用価値への過剰な期待が背景にあり、この年齢の若者がおかれた社会状況と密接に関わっていた。 2.北海道の都市部に住む子どもの消費生活の実態を明らかにするため、札幌市に居住する中学性と高校生を対象に、特に通信販売に関する意識と実態を調査した。通信販売の利用経験は30%前後であるが、特に高校生女子は利用率が高かった。また、購入金額も加齢とともに高額になっていった。これらの情報源は主に雑誌であるが、ほぼ100%の子どもが何等かの雑誌を定期的に見ており、男子は漫画誌、女子は占い誌やファッション誌が比較的多かった。また、中学生と高校生には講読雑誌の違いはほとんど無かった。これらの雑誌に共通して掲載されている通信販売広告の信頼度は、低いとはいえず、誇大広告に対する批判的な判断がされにくい状況にあることがわかった。
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