2つのタイプの多変量二段階法について、困難とされてきた複数個の母集団への拡張を与え、多重比較問題に応用し、有限個の初期標本に対して有効性の比較を行うことに成功した(投稿中)。さらに、有効性が優っていることが判明した多変量二段階法について、標本数の平均を分散に関する評価式を与え、未解決とされてきた多変量二段階法の最適な初期標本数を決めるための方法を提案した(論文1)。 また、平成5年4月末から6月末までの2か月間、私の研究室に滞在した逐次解析法の第一人者E.J.Dudewicz(Syracuse大学、U.S.A.)とは、二段階法のベーレンス・フィッシャー問題に対する解の有効性を研究した(投稿準備中)。この結果に対して、関係する研究者から有益な意見を得ることができ、これらが共同研究へと結びついたことで、新しい二段階法を開発することに成功した(投稿準備中)。新しい二段階法は、2つの一変量正規母集団の平均の差に関する推測に置いて、要求される精度を確実に保証する解を与え、従来提案されていたどの二段階法よりも有効な、全く新しいタイプの抽出法である。なお、新しい二段階法の標本数の定義式に含まれるパラメータの値は、モンテカルロ法による100万回のシミュレーションで計算した。 さらに、頑健性の研究によって、これまで母集団分布に正規分布を仮定することが本質であると信じられてきた多変量二段階法による解が、実は、より広いクラスである楕円分布族に対しても正しいことを証明した(投稿準備中)。
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