1.既存の並行・分散モデルの分析 新しいモデルの提案に先だって、既存の並行・分散モデルの分析を行なった。対象としてCSP・Linda・Actorを選択した。分析は、これらのモデルを一般化論理プログラムに埋め込み、その上で比較するという方法で行なった。その結果、 ・既存のモデルが、ハードウェアの制約に依存していること ・実行の概念が言語以外の部分で定義されていること ・通信は相手の選択と値の伝搬という2つの部分から構成されていること などが明らかになってきた。 2.新しいモデルの提案 上野分析結果、特に通信に関する結果から、より柔軟な通信を行なうモデルが実現可能であることが分かってきた。既存のモデルでは通信は単純なパターンマッチでしかなかったが、これを、一般化論理プログラムにおける拡張されたユニフィケーションに発展させることにより、相手の選択における柔軟性や双方向の通信などがユニフィケーションという統一的な枠組で表現できるようになる。 さらに、一般化論理プログラムが持つ理論的厳密性を利用することにより、オプジェクト合成が安全に行なえるモデルを構築できることが分かった。
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