大規模なマルチプロセツサにおける細粒度並列処理において重要な要件は、レイテンシ(通信遅延)の低い通信経路の確保と、プロセッサ間メッセージの高速な送受信機構の確立である。今回の研究では、比較的拡張性が高く、低いレイテンシでメッセージ転送を行うことのできるネットワークのモデルとしてハイパクロス結合ネツトワークを取り上げ、その性能を評価した。 計算機シュミレーションの結果、ハイパクロスバ結合ネットワークは他の代表的な並列処理ネットワークの中でも特に低いレイテンシと比較的混雑の少ない転送経路を確保できることを確認した。このネットワークでの細粒度並列処理の例として。並列ソーティング問題を取り上げ、同ネットワークを基本とするマルチプロセッサ上で並列ソーティングが効率的に実現可能であることをシュミレーションにより確認した。 さらに、ハイパクロスバ結合ネットワーク上において、細粒度かつ不均質なメッセージ転送によって並列処理が行われる場合のネットワークの性能について調べ、その特性を一層向上させるための数種のルーティング手法の改善を提案し、シュミレーションによる評価を行った。
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