本研究は記号データと数値データを統一的に処理できる多ソ-ト帰納学習システムの設計と応用を行った。具体的には以下のようである。 (1)凸包構成による数値データの帰納一般化法の提案 従来の帰納一般化は記号データを対象としたが、本方法では数値データを帰納一般化するアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは有限個のクラスと実数をとる属性値集合を入力とし、ボトムアップ的に最小一般化を行う。最小一般化後は、ルールの条件部を簡単化し意味のない変数を自動的に消去する。実験によると、処理性能は帰納学習の標準ソ-ルに匹敵する性能が得られた。 (2)制約つき帰納論理システムの開発 従来の帰納学習システムはエルブラン領域しか扱えないため、代数的関係を学習することは困難であった。本システムは制約論理プログラミングにならって、単一化を制約解消系に置き換えた。その結果、扱える計算領域が増え、仮説言語の表現力が向上した。さらに、仮説言語へ適切な制限を加えることにより、仮説空間を大幅に縮小し、システムの効率化が図られた。 以上の学習システムは標準のProlog処理系上で作成しているため汎用化が高い。システムの応用としては、医療画像等の特徴抽出を実施した。
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