1.人間の情報受信時の各種要求発生と生体情報変化の検討 被験者を使って、音声情報ならびに映像情報に対する情報受信時のポ-ズ・バックなどの要求発生時の生体情報変化を、脳波・筋電・心電・皮膚電気現象で計測し、相互の関連性を検討した。その結果、脳波のうちのP300成分、筋電、皮膚電気現象が意図の検出に利用可能であることが観察された。 発生要求の有効な検知・処理方法の検討 1の検討の結果、生体の自動反応を用いたインターフェースとしては、P300波と皮膚電気現象の利用が考えられた。またレスポンスタイムと潜時の検討から、P300波の利用が最適であることが認められた。そしてP300波の有効な検出のための電極のモンタージュ、サンプリングレート、増幅レベル、判別方式などの手法を検討した。その結果、5種類の意図に対して認識率75%で正判別できることがわかった。また本方式では、第二種のエラー率は25%と、比較的高いものになることもわかった。さらに確率過程の検討から、実用に耐えうる選択枝数と試行許容回数についても検討した。 3.マルチメディア機器制御系の設計と評価 P300波によるメディア機器制御系のプロトタイプを構築し利用実験を行い、ユーザビリティー評価を行った。その結果、従来型のインターフェースでは得られない、高い直接操作感覚が得られることがわかった。今後は、認識率の向上と誤動作対策、シンタックスを用いた制御との併用などが課題である。
|