これまで、レーザーイメージング法による高温プラズマ内の密度揺動分布計測法の開発を行い以下の結果を得た。 i)昨年度までに、密度揺動の空間分布計測に必要な計測角度分解能を有する計測システムへの改良、特に本法で中心的光学部品である位相板の設計変更を行い、得られる角度分解能について定式化し、さらに定量的に検討した。本年度はさらに、位相板の形状について検討を加え汎用性のあるシステムとするために、従来の位相板にスリットをつけて改良位相板と同じ性能を有するものを設計製作した。 ii)上記スリット付き位相板について、HeNeレーザーと超音波を用いたシステムにより、その性能を確認し、当初目的とした設定精度が得られることがわかった。 iii)計測角を高速で掃引し密度揺動の空間分布を1ショットで計測できるシステムについて、固体中の超音波を用いたシステムについて検討した。その結果、さらに検討を要するものの必要な超音波強度(回折効率〜1%)が得られることを実験的に明らかにした。 iv)スリット付き位相板を用いた空間分布計測システムを京都大学の高温プラズマ閉じ込め装置であるヘリオトロン装置に適用し、空間分布に関する初めてのデータを得た。本システムによりヘリオトロンEでは広い波数範囲で高い空間分解能(5cm以下)が得られることが期待される。今後、得られたデータの解析によってヘリオトロンの空間分布について有用な情報が得られると考えられる。 現システムでは1ショットで空間分布得ることはできていないが、上記超音波を用いることにより、高速で計測領域を掃引できるシステム開発の見通しを得た。
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