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環境汚染物質による肺の障害機構とマクロファージの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05780396
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 環境影響評価(含放射線生物学)
研究機関帝京大学

研究代表者

工藤 なをみ  帝京大学, 薬学部, 助手 (10161647)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード肺障害 / 肺胞マクロファージ / 重金属 / 活性酸素 / ロイコトリエン
研究概要

重金属による呼吸器障害の発症メカニズムを明らかにすることを目的として、肺胞中の細胞の機能に対する重金属の影響をin vitroで検討した。まず、肺胞に常在し、異物除去に中心的役割を果たしていると考えられる肺胞マクロファージの機能について調べた。殺菌作用を持つ活性酸素の放出について調べたところ、1x10^<-4>MのCdCl_2を添加することによって産生量が約2倍に増加した。亜鉛や水銀ではこのような現象は観察されなかった。カドミウムは単独で肺胞マクロファージの活性酸素産生を増加させる作用を示すことが明かとなった。
つぎに肺胞マクロファージのアラキドン酸代謝について検討した。肺の炎症過程においては肺胞マクロファージの産生するLTB_4が炎症部位への好中球の浸潤に重要であると考えられる。カドミウムを添加して培養した肺胞マクロファージではA23187刺激時のLTB_4産生が約2倍に上昇した。これはカドミウムのlipoxygenaseへの直接作用ではないかと考えられた。一方、無機水銀を培地中に添加するとそれだけで肺胞マクロファージのLTB_4産生が数十倍に増加した。これはマクロファージに多量に含まれる特殊なリン脂質、アルケニル型エタノールアミンリン脂質が水銀の触媒によって分解され、さらにマクロファージのリゾホスホリパーゼ作用によってアラキドン酸が遊離してくるためであることを突き止めた。亜鉛やニッケルなど他の重金属は高濃度を添加することによって阻害作用を示した。
これらの重金属は肺実質細胞に対しても細胞障害を起こすことが知られている。これらの作用が複雑に組合わさって炎症が進行して行くものと考えられるが、今回の結果から一部の重金属ではマクロファージの生理活性物質の産生を増加させることによって炎症の進行と深く関わっていることが明かとなった。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kudo,N. and Waku,K.: "Mercuric chloride induces the production of leukotriene B_4" Arch.Toxicol.in press. (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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