オゾン(O_3)及び二酸化窒素(NO_2)の行動影響について耐性及び交差耐性が成立するか否かを検討するためにいくつかの実験を行い、以下の知見を得た。 マウスに0.1〜0.8ppmのO_3を1週間暴露したところ、0.2ppm以上で飲水活性、摂食活性及び体重の濃度に依存した低下が、暴露1日及び2日目に観察された。しかし、これらの変化は一過性であり、3日目以降対照レベルに回復した。同様に4〜12ppmのNO_2を5〜7日間暴露したところ、やはり6ppm以上で行動の抑制が暴露1、2日目に観察されたが、以後回復した。 ラットに0.4ppmのO_3を1日暴露したところ、その間の飲水活性、摂食活性及び体重の低下がみられた。これらのラットに、2、4あるいは7日後に再び同じ濃度のO_3を暴露したところ、いずれの場合にも、いずれの指標においてほとんど影響が観察されなかった。 マウスにあらかじめ12ppmNO_2を7日間暴露し、その後9日間清浄空気下で飼育し、さらに0.4ppmのO_3を1日暴露したところ、O_3を暴露しても飲水活性、摂食活性及び体重の低下は認められなかった。 以上の知見は、_3およびNO_2それぞれに対して、連続暴露下で耐性が形成されること、O_3に対する耐性はO_31日暴露で獲得され、清浄空気下で少なくとも7日間は維持されること、及びNO_2に対して耐性を獲得した動物は、O_3に対しても耐性を示すことを示している。
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