研究概要 |
研究実施計画にのっとり、カリチェマイシンオリゴ糖鎖1の立体選択的合成研究をおこなった。初めにE環部に相当するアミノ糖部2の合成を検討した。2を合成する際に重要となるのはC_3、4位の立体化学の制御である。D-グルタミン酸-gamma-メチルエステル3を出発物質とし種々の反応を繰り返しおこない効率よくalpha,beta-不飽和-delta-ラクトン4へ導いた。次に、4をt-BuOOH、LDAで処理したところ望む立体化学を有するエポキシド5を単一生成物として与えることがわかった。5は、PhSeHを用いエポキシドの位置選択的開環をおこない6へと導いた。続いてDIBALを用いて還元をおこないラクトールとした後、メチル化反応にふし7を得た。7からアミノ糖2への変換は、TBSOTf、2、6-ルチジンを用いるBOC基の脱保護、アミノ基のアセチル化、続く還元反応により効率よくおこなえることがわかった。以上述べたようにしてアミノ糖部のC_3、4位の立体化学を制御した合成法を確立した。現在、B、C環部の立体選択的合成を検討している。
|