研究概要 |
1988年にKinghornらが単離したポリポドシドAはシダ植物Polypodium glycyrrhizaの甘味成分で、無糖の600倍の甘味を有している。Kinghornはその構造決定において、近緑のサポニンであるオスラジンとの比較により、その6,7デヒドロ体であるという結論を導いている。本研究者は先にオスラジンの全合成を行い、従来の構造式の誤りを指適し、改めて構造研究を行って、真の構造を導いた。従って、ポリポドサイドAの構造も見直すことが必要となり、本研究に着手した。先にオスラジン全合成に用いた中間体から、オスラジンアグリコンのDELTA^<6,7>体を合成し、一方ポリポドシドAの酵素加水分解によって得たアグリコレと比較したところ、良い一致をみた。したがって、ポリポドシドAはオスラジンのDELTA^<6,7>デヒドロ体である事が証明され、22位、25位、26位の立体化学がR,S,Rに改められねばならないことを明らかにした。
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