研究概要 |
近年アクチビンレセプター(ActRII)、TGFbetaレセプター(TGFbetaRII)がクローン化され、受容体型セリン-スレオニンキナーゼ(RSK)であることが明らかになった。このようにTGFbetaリガンドスーパーファミリーの機能的レセプターはRSKであることが明らかになりつつある。我々は新規のRSKを単離する目的でActRII、TGFbetaRIIのキナーゼ領域間で共通に保存されている配列に対するdegeneratePCRプライマーを合成し、マウス胚幹(ES)細胞にどのようなRSKが発現しているか検討をした。マウスES細胞totalRNAを鋳型としてRT-PCRを行なった結果、すでに報告されているActRIIa,IIb,TGFbetaRII以外に、ESK2,11,20,86の4個の新規のRSKクローンの断片が得られた。ESK2の全翻訳領域を含むcDNAを解析した結果、ESK2はヒトALK5(Miyazono等)のマウスホモログであることが明らかになった。ESK2はTGFbetaRタイプIIの共存化にTGFbetaと結合し、マウスのTGFbetaRタイプIであることが示された。ESK2の細胞外ドメインは4アミノ酸残基が挿入されたタイプ(ESK2)およびこれが欠失しているタイプ(ESK2-2)の二種類のクローンが得られている。ESK2およびESK2-2がスプライシングの違いによるものかどうか、またES分化段階および各組織における発現様式、機能上の相違につき現在検討中である。
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