研究課題/領域番号 |
05780615
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河西 春郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60224375)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カルシウム / 画像処理 / シナプス / グルタメイト / 小脳 |
研究概要 |
シナプス前終末のカルシウム濃度測定の対象として、当初鶏胚の杯型神経節を用いたが、色素の退色が早く、ラインスキャンによるアベレイジは有効でなく、また、標本を準備するのに手間が懸かりすぎるなどの問題があった。そこで、申請者は培養神経細胞において、カルシウム画像処理ができる系を探した結果、小脳の培養細胞においてとりわけ大きな終末が多数観察されることを発見した。それらが、シナプス終末であることは、シナプス後細胞がある場合にはその終末の刺激でシナプス電位が記録されること、またシナプス後細胞の無い場合でも、脂溶性の蛍光色素、FM1-43、を用いることにより機能的に同定された。また、それらの終末は解剖学的にもシナプトフィジンやシナプシンを持っていることが示された。この大きな(2-4 ミクロン)終末の一部はプルキンエ細胞の軸索終末であり、また他の一部は苔状繊維の終末であると考えられた。更に、カルシウム蛍光色素フラレッドを負荷することによりカルシウム画像処理を行うことが可能であることがわかった。予想されたようにこのシナプス終末は脱分極により強いカルシウム上昇を示した。しかし、シナプス後部と異なりグルタメイト、アセチルコリン、アデノシン三燐酸などのカルシウム動員性のアゴニシトではカルシウムが全く上昇しないことがわかった。一方、アラキドン酸はこのシナプス前終末に強いカルシウム動員作用をもつことが見出だされた(論文準備中)。
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