研究課題/領域番号 |
05801012
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験系心理学
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
田中 豪一 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助手 (10167497)
|
研究分担者 |
藤井 力夫 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (10002479)
澤田 幸展 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (40045539)
|
研究期間 (年度) |
1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 圧受容体反射感度 / シーケンス検索法 / 呼吸数 / 呼吸性不整脈 / 迷走神経 / 心理的ストレス |
研究概要 |
1.実験1 呼吸周期が圧反射感度(BRS)に及ぼす影響を、27名の男子大学生を被験者として検討した。被験者には500Hzの短音に合わせて3分間自然に呼吸するように教示した。条件間に2分の休憩を入れ、周期条件は3s(F)、5s(M)、10s(S)の3条件からなる6通りの実施順序に被験者をランダムに割り付けた。BRSはシーケンス検索法で測定し、呼吸性不整脈(RSA)と比較した。その結果、(1)RSAはS>M>Fの関係が認められたが、BRSおよび心拍数(HR)には条件差は示されなかった。(2)RSAとBRSは、安静時及び各周期条件において、中程度の有意な相関(r=.54〜.66)が認められた。(3)BRSとHRには各周期条件において有意な相関が認められた(r=-.35〜-.43)。2.実験2 暗算ストレスの予期(4分間)、遂行(10分間)、回復(4分間)時のRSAとBRSの抑制を男子大学生30名の被験者で比較した。その結果、RSAは同時に生じた呼吸数の増加と相関した抑制が認められたのに対して、BRSには呼吸変数とは独立した抑制が認められた。3.実験2におけるBRSの経時変動を因子分析で解析した結果、BRSの抑制はストレス負荷直後1分で最大となる速応答性抑制因子、2分目から7分目まで長く持続する持続性抑制因子、8から10分目に最大化する遅応答性抑制因子、および、回復期に活動する回復期因子が認められた。これら4因子は、交感神経指標である心収縮性、血行力学指標、及び、呼気ガス指標との関係においても異なった性質を示した。 これらの結果から、シークエンス検索法によって無侵襲的に推定できるBRSが呼吸に依存しない迷走神経の指標として、ストレス研究に有用な指標であることが実証された。今後は、交感神経指標と併用することで、心臓の自律神経平衡の解析に応用する計画である。
|