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異類婚姻譚の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 05801039
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関名古屋大学

研究代表者

篠田 知和基  名古屋大学, 文学部, 助教授 (00022260)

研究期間 (年度) 1993
研究課題ステータス 完了 (1993年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1993年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード昔話 / 異類婚 / メリュジーヌ / フランス / 日本 / 蛇 / 竜 / 猿神
研究概要

日本とフランスを中心として、昔話、および伝説の異類婚説話の比較を行なった。広くインド・ヨーロッパ文化圏の説話と日本の説話が民衆文化のレヴェルで相同性を示すことはすでに、吉田敦彦氏らによって証明されているが、とくに神話レヴェルに近い昔話としての異類婚説話を検討すると、それが、獣祖と天人との結合を物語る始祖説話から発生することが了解され、そのひとつとして、たとえば、フランスのメリュジーヌ説話と日本のトヨタマヒメ説話の相同性なども出てくるが、それは、決して直接的な一方の他方への伝播でなはく、双方の中間地帯からの同時両方向的伝播の結果だが、それも単に単一説話の移動ではなく、自然と人間とのかかわり方を説明する説話体系の複合的移動が、文化的に変容を蒙っていった果ての一致であることがわかる。
すなわち、昔話では、フランスの代表的な昔話、「悪魔の娘」が、日本の「天人女房」と構造的一致を示し、「青髭」は「猿婿」の文化的変容である。また、動物相の変化の法則により、中央アジアの狼は日本では蛇(神)になり、メソポタミアを経由したヨーロッパでは竜になるが、それが、さらに、攻撃者と犠牲の相互可逆性の法則により、昔話では蛙になり、また、文化英雄の遺棄の説話は超自然的保育神話に接続するときに、授乳者としての雌鹿のイメージをうんでもゆく。それらを総合して、日本とフランスは同一文化の両端に属し、同種の文化変容を遂げつつ、それぞれ、特有の風土性を示し、かつ、早くから、近代化を蒙りながらも、その両者を対照させることで、いくつかの説話の古層の原態を再現することができる文化であることが証明された。

報告書

(1件)
  • 1993 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 篠田知和基: "犬の民俗" 名古屋大学文学部研究論集. 120. 1-19 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 篠田知和基: "獣祖説話の伝播" 開発と文化. 6. 1-40 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] 篠田知和基: "人狼変身譚" 大修館, 465 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書
  • [文献書誌] SHINODA,Chiwaki: "La Mefamorphose des Feer" 名古屋大学国際開発研究科, 302 (1994)

    • 関連する報告書
      1993 実績報告書

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公開日: 1993-04-01   更新日: 2018-06-07  

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